元・婚活支援員による婚活・恋愛生現場(毒)

婚活に行き詰まったら、ガス抜き程度にお読みくださいませ。

30代女子、焦りと圧力のはざま

 

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どうも、ふじこです。
ふじこも婚活の支援員として働いていたころ、よく会員さんから相談されたりする機会も多くありました。その中で、解決できるものや、ただ愚痴を聞いてほしいなど意見は様々。まあ婚活をしてうまくいかず、もやもやした気持ちを抱え込んでいる方はストレスで張り裂けそうだったり「婚活うつ」にまで陥ってしまうケースも。
そんな中、ふじこが相談に乗った件で唯一「号泣」させてしまった女性A子さんのお話。忘れようにも忘れられない女性でした。うん、すっごく鮮明に出来事を振り返れそう…。A子さんは「婚活うつ」をわずらった30歳。彼女がここまでに至ったお話をご紹介します。

 

 

 

 

情緒が不安定なほどの婚活ストレス

 

親からの圧力と焦りの板挟み


30歳の女性というと、婚活市場でもまだまだ若い世代。しかしご本人の中では焦りを感じる年齢でもあるでしょう。A子さんの場合も「もう30歳になったんだからそろそろ結婚とか考えなくちゃ」という気持ちを抱え登録に訪れました。
しかしなんだか浮かない表情。写真もなんだか暗い表情。眉毛が八の字に下がっていました。「うん…これでは男性にあまり好印象に映らないな…」と思ったふじこ。
自己PRもなんの表現もなく、「1人の時間が好き、できれば放っておいてほしい」などと書く始末。待って待って、やる気ないの!?とびっくり。伺ってみると、「親からのプレッシャーがすごくて、それで来たようなものなんです」とのこと。
これ、結構多い相談でもあるんです。「親の圧力」。
「あんたもそろそろいい人見つけて結婚しなさいよ」「もう30歳なんだから」「早く孫が見たいわ」などという親からの攻撃。これ効くんですよね…。一緒に生活しているとそれが毎日のようにありますから。「あんた彼氏もいないの?」なんて毎日言われたら、ストレスは半端ありませんし、自分でもそろそろ結婚を…と思っていてもなんだか腰が上がりませんよね。重くて。親はうっとうしい、けど自分も結婚したくないわけじゃない、この気持ちのはざまでストレスが気づかぬうちに膨れ上がってきているようなそんな状態がA子さんでした。本当に、親が思う気持ちは痛いほどわかってるんですよ、娘や息子は。だから自分から立ち上がって行動を起こすまでは優しく見守ってあげてほしい!と全国の親御さんに言いたい。それでもしつこく言ったって結婚活動しない子はしないから!

 

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自身をアピールすることをも放棄


A子さんの場合、結婚に対するビジョンも全く定まっていないご様子。どんな人がいい、こんな人がいい、という理想像もなし。なので自己PRも何を書いていいのかがわからない。書いたと思ったら「1人が好きなので、放っておいてくださっても構いません」…。ん~。これは困ったぞ、と久々に難解な案件でした。まず、A子さんには「お相手の男性が同じように放っておいてと記載していたら、どんなに素敵な人であってもお申込みされますか?」とお伺いすると「いや、しない」との返答。「ですよね、できないですよね、それ、男性も同じように感じると思うんです。」と返すと、「あぁ、そうですね」と素直に納得。こういった感じで自分自身の見方は想像しにくいけど、相手を見るときにどう思うか?で話を進めていくことによって、直さなければならない点、改善点などを浮き彫りにしていきます。大体の方がこのお話し合いで気づいて言ってくれるもの。自己PRは自分のいい部分、考え方などをアピールする唯一の場。ここで内面をどれだけ文章で伝えられるかが求められる大事なポイントなのです。

ただ、何を書いたらいいのかわからない、という方は非常に多いです。面接シートのように書きつらねたり、箇条書きで書いたりする方も多くいますが、できれば読みやすく、共感しやすい文章などを心掛けてほしいもの。A子さんへは、書きやすいように軽くアドバイスもかねて「例えばお休みの日は何してますか?インドア?アウトドア?」と休日の過ごし方を通して、同じ趣味を持った男性が興味をもってくれるような内容にしましょう、とアドバイスさせていただきました。しかし、考えることもなく、「特に何もしないし、今まで彼氏がいたことがないので何をアピールするのかもわかりません」とのこと。おぉ、なるほど。考えるのもめんどくせぇか?お前自身のことを掘り下げるのに投げやりな姿勢か?なめんなよ、おい。(急に口が悪くなるふじこの心)

 

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遠回りの選択

 

ふじこが彼氏がいなかった中学時代、少女漫画などを読んで、彼氏がいたらこんなことしたい、こんなところに行きたいと想像したもんです。最近の子はそれすらないのか?とちょっとばかりのジェネレーションギャップにショック。
もうすぐ、夏祭りが近かったこともあったので「例えば来週のお祭りに一緒に行ってみたいとかは?」と尋ねると「私なんかと言っても楽しくないでしょう」とかなりのマイナス発言。自分に自信が極端になさすぎる。こんな状態で誰がお会いしたいと思ってくれるのか?まだ自分に自信がなくても頑張って婚活をしている子のほうが健気で応援したくなる。こんな気持ちで活動するだけ無駄なことのように思いました。

「結婚にたいしてかなり消極的なように思いますが、お相手探しはできますか?」と尋ねてみると、「私、結婚はもちろんいつかはしたいけど、友達がほしいんです」と最終的に今は「友達を求めている」と話されました。
へ?なぜここに来た!?ここは「婚活」する場所であって、決して「友達」を作る場所ではない!!!

ふじこ、いい加減ぷちーんときまして。A子さんへ「親からの圧力でも、自分に自信が持てなくても、自分の意志をちゃんと持ってください!ここに登録しているお相手に対して失礼です。お友達を作りたいなら、また別の機関で探されてみては?」と登録を考えなおすように勧めてみると「それじゃあ結婚できないじゃないですか!」とおキレになられました。……うん…そうだね…うん。でも2秒前にあんたが「友達作りたい」って言ったんじゃんね…?ふじこ、プチパニック。
結婚はしたい、でも今すぐじゃなく、まずは友達を作りたい。遠回りなようだけど、いつかはしたい「結婚」のために動き出したんだ、と。そう言い切られてしまったらふじこは止められません。「では時間をかけて、それに見合った方をゆっくり探していきましょうね」こうしてA子さんの婚活物語がスタートしました。

 

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写真の重要性

 

A子さんが登録してすぐの日、「写真を変えたい」と本人から要望がありました。
お!写真が悪いことに自分で気が付いたのか、と感心。だって八の字眉毛で不機嫌そうな写真だもんね。「この写真に変えてください」と持ってきたものが、え、これどこにあなたいるんですか?なぐらいちっちゃく写った全身写真。周りに映った観光客の人たちのほうがはっきり顔が映っている始末。「これは少しお顔が小さすぎますね。お顔がわからないとお相手もお申込みしようがありませんし、原則お1人で映られた写真じゃないとだめなんです」と答えると「顔…載せたくないんです。私、ぶさいくなんでこれでお願いします」と強めな口調。んん~…?顔載せたくないと来たか…。たまにいるんですよね。写真写りが悪いからと、顔の表情を隠して撮ったり、ピースして顔の半分以上隠れてたりする写真。即刻変えてください、と差し替えを要求します。
「A子さん、写真は相手を選ぶ際の大事なポイントになりますので、お顔がわからないようじゃ申し込みも難しくなってきますよ?」と伺うと「構いません。ぶさいくなんで、この小さいのでお願いします」となかなか引かない。「では、A 子さんもお相手の顔がわからない人に申し込みしますか?」と尋ねると、「それは…顔がわからないとしないかも…」

ですよね!!?

ね?だよね~?相手に求めて自分は載せないなんておかしな話だよね~???条件面だけでさがすならともかく、もしかすると自分の好みのタイプではなかったりするといやだよね~???じゃあお前も顔がわかるやつじゃないとだめだよな!?(と言いたいが押し殺したふじこ。)「では、ご自身が満足のいくバストアップの写真と差し替えませんか?」と提案すると「そうですよね、そうします」と快く承諾してくれました。あぁ…よかった納得してくれた…と一安心のふじこ。その日はA子さんは閲覧だけして、「写真を変えてから申し込みしてみます」と少し前向きになって帰っていきました。

以前、写真の重要性について書いた記事がありますが、本当に女性も男性も写真に関心が低すぎるんです。婚活を始めるならまずは写真からしっかり撮ることが大事。この土台がしっかりしていないと、いくらかわいくても、若くても、もったいない婚活をしてしまうことになります。

hujico.hatenablog.com

 

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張り詰めたストレスが張り裂けた日

 

またその後日、A子さんが訪れました。なんだか疲れ切ったような表情。
前回の件もあったので、さっそく「お写真はご用意できましたか?」とお伺いすると、謎の沈黙。ん?どうした?と思っていた矢先、A子さん大号泣。「うわ~~~~~~ん!!!」ふじこ、真っ白。「写真…写真って写真のことはもう言わないでください!!」と泣き出してしまいました。え?泣きポイントそこ?え?だってこの間持ってくるって言って機嫌よく帰ったじゃん!!?まるでふじこが泣かせてしまったかのような構図。「ぶさいくなのはもうわかってるんで、写真ばっか言わないで下さい…」と泣きじゃくるA子さん。「前回、写真差し替えるお話しましたよね?なので、持ってきてくれたのかな?とお伺いしてみたんです?まだご用意できていないなら構わないんですよ?」というと「お金がないから写真撮りにもいけないし、自分の写真なんて頻繁に撮らないでしょう?!それに私写真撮るの嫌いなんです!」と若干お怒りモード。
え…えぇ~?写真変えたいってあなたが言ったんだけどなぁ…?あっれぇ…?とふじこの頭の中ぐるぐる。結局、前回のやりとりはなんだったのか。A子さんは自分に自信がなく、自己評価がかなり低め。また周りから自分は「ぶさいく」だと思われていると思い込んでいるためか、「写真」のキーワードがストレスの引き金になっていたのです。

 

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自信喪失は素直も失う※その後まで

 

A子さんはその後も写真を変えることなく、活動を続けられました。

もちろん、支援員の共有事項として「こちらから写真の件には触れない」という注意書きができました。申し込むも、うまくいっていないご様子。またお相手からの申し込みもない状況で数か月が経過しようとしていました。するとA子さんのほうからなにやらご相談があるとのことで、お話を伺いに行きました。
「親がね、何回もお断りされるから、あんたなんかじゃ結婚できないっていうんです」とのこと。そんな!なんでそんなこと言うねんおかん!娘、婚活疲れ発動中なのに余計な事言うなよ!と心の中で怒るふじこ。「前回も前々回も申し込んだ人、振られたんです。たぶん私がブスだし、私仕事もろくにしてないし、大学も出てないから」見た目のコンプレックスに加えて条件面でも自信をなくしかけていました。確かに、見た目はもちろんのこと、条件面でも左右されるのが婚活。しかしながら若い世代の女性は年齢が武器にもなるので条件面は後付けでも、気に入られる男性は多くいらっしゃいます。「お相手の男性が求めている条件にヒットすれば、お引き合わせすり可能性は十分ありますから、そこをしっかり見ていきましょうね」というと「見ました。見てもダメだったってことは、私がダメってことでしょう?

確かに、条件がヒットしていてもお断りされることももちろんあります。本当に重要視しているポイントはその方にしかわからないので、細かく言うと「見た目がタイプじゃない」「スレンダーな子がいい」「髪がロングの子がタイプ」などといった好みまではわからないもの。また、たくさん申し込みが来るいわゆるモテ男さんに申し込みをしてしまったら、条件レベルはさらに要求は高くなります。ちなみにA子さんが申し込んだ相手は年収600万以上の国家公務員さんでした。おっつ…!ハイレベル!!!「公務員さんを希望されていらっしゃいますか?」と尋ねると「そんなことはない」。「年収はやはり高い方がいいですか?」と尋ねると「そんなこともない」。「ではこの方をお申込みしたのはどこがよかったですか?」と尋ねると「趣味が合いそうだから」。自己PR欄に記載していた趣味が自分にピッタリだったようなので見てみると、「写真が趣味、旅行が好き」とのこと。え?写真撮るの嫌いって言ってなかったっけぇ?この間!という気持ちを押し殺し、「旅行お好きなんですね~?」と伺うと「そんな行かないですけど。プロフィール写真見たら、笑顔だし、この人となら楽しいのかなって」そうかそうか。そうだよね、写真大事だろ?なぁ?おい。そういうことだよ。

「でも、親があんたじゃ公務員なんて無理に決まってるとかいうんです~!」と急に号泣。え!?え!?待って!泣かないで!何々!?やっぱり公務員がいいのね?もういいからわかったから!!!完全に婚活うつ状態。言ってること支離滅裂。


要点をまとめると、理想は公務員など収入面で安定した職業の方を求めている。しかし、自分は釣り合っていないと見た目含めて自信がない。更に親からの圧力、結果婚活してもうまくいかない。迷宮をさまよっている。←いまここ。
加えて素直じゃなかったんですよね。「こんな人がいい!」って理想像があるなら自信がなくたって、もっと自覚をもって活動してほしい。だってこれはA子さんの為の婚活なのだから。他のだれかがどーのこーのいう権利もなく、幸せは自分の手でつかみ取らなくちゃいけない。そりゃたまに失敗して、傷ついたり心折れたりすることもあるでしょう。しかし何の努力もされず、成果も追い求めず、最初の段階からやる気を失ってしまってはこちらも応援できないし、助言することさえできません。もう泣いてるからついでに言っちゃえな感じでA子さんに「笑顔の写真1枚持ってきてください。絶対現状変わりますから」と後押ししました。希望の公務員さんからは人気があるから難しいかもしれない。けど今のままでは「かもしれない」ではなく難しい。と断言しました。
ぽかん、とした表情で聞いてくれましたが、後日、ちょっとかたい感じではありましたが、笑顔のお写真をお持ちいただけました。ふじこも写真を見た瞬間、「うん、かわいい!」と自然に言葉が出てきました。もう前の八の字眉毛写真に比べたら歴然の差。照れくさそうな、ちょっとツンケンとした感じでしたが、内心嬉しそうなA子さん。「頑張りましょうね!」と声をかけると、「はい、前向きに頑張ってみます!」となんだか写真のような明るい表情と声のトーン。やっぱり笑顔の効果って気持ちまでをも変えてしまうのでしょうね。

 

その後、A子さん、即お申込みがきました!写真を変えてすぐ、です。
公務員さんではありませんでしたが、まじめにお仕事をされている同年代の男性からでした。そのお相手もA子さんのお写真のような笑顔が印象的な柔らかい男性。
やはり女性は笑顔の写真、これに尽きます。クールな表情もきれいで知的に見えるんだけど、やっぱり笑顔が1番。好印象です。ふじこが退職するまで、結果そのお相手と良好なお付き合いを継続されていました。うんうん、いつかしたかった結婚に向けて、タイミングを見計らいながら、ゆっくりと関係を歩まれていくことでしょう。できるだけもう、ここへは戻ってきちゃだめよ。

 

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おわりに

 

今回の大変厄介者A子さんの場合は目的を失いかけたストレス型の「婚活うつ」でした。「婚活うつ」といってもパターンは様々あって、ヒステリックをおこしたり、やる気を失って結婚のことを考えただけで気分が悪くなったり、涙が急に出てきたり。そんなときは「休息」することが先決。根詰めて活動すればするほど焦りからストレスは大きくなるばかり。休んだらその時間がもったいないなどとは考えず、心を休ませてあげて、元気をつけないと婚活という戦場には立つことは難しくなるばかり。癒しを求めて旅行したり、好きな事に没頭してみたりと、いい意味での「心の逃げ場所」も作っておいてくださいね。